消失グラデーション(角川単行本)

2013年01月13日 19:49


消失グラデーション消失グラデーション
(2011/09/26)
長沢 樹

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今回は第31回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作品!
「このミステリーがすごい!2012」第6位の実力派作品です。
消失グラデーション」(長沢樹著/角川単行本
作品紹介

第31回(2011年) 横溝正史ミステリ大賞受賞!
とある高校の男子バスケ部員椎名康は、屋上から落下した少女に出くわす。しかし、その少女は目の前から…消えた!? 可愛すぎる探偵“樋口真由”の活躍を描く消失シリーズ第1弾!

☆ 屋上から落下した少女はどこへ? 仕掛けに満ちた、傑作青春ミステリー!

なんか最近、ラノベと言うには本格的な作品が続いてますが、むしろラノベ読みにこそ読んで欲しい。 そんな作品。
この間紹介した「1/2の騎士」もそうですが、一般文芸の中にも、ライトノベル好きにオススメできる本はたくさん眠っているのですよ。
というわけで今回はその「1/2の騎士」の作者・初野晴さんを輩出した横溝正史ミステリ大賞受賞作品。
大賞作品だけあって、ミステリー的な仕掛けはもちろんですが、それぞれ問題を抱えた少年少女たちの青春ストーリーとしてもなかなか。 この二つの要素が見事に合わさった結果の横溝正史ミステリ大賞の受賞なのでしょう。
最初本作の主人公・椎名康の行動になかなか感情移入できないかもしれませんが、“ある事実”が明かされてからは、ちょっとずつ入り込めるようになりました。 しかしこれってミステリー的にすごい大技。 トリックがわかったあとで戻って読んでみると、上手い!と唸ること間違いなし(と言ったら、トリック分かっちゃうでしょうか?)。
もうひとりの主人公である樋口真由が美少女かどうかはともかく、少ない手がかりから頭脳明晰な推理を披露するのに、バスケットボールをマトモに顔で受けちゃったり、ちょっと抜けているのが素晴らしい。 そして真由にも重大な秘密が…。
少女消失のトリックに関しては、真相の一歩手前あたりで、なんとなく予想はつくのですが、むしろ“登場人物たちが抱えている秘密”の方に驚きが隠されています。“秘密を抱えている少年少女たちが、再出発する話”という骨太な青春ストーリーにミステリー的に味付けされたという印象。 なんにしても、読後感は素晴らしく良いです。
ただ、青春といっても『氷菓』とかああいうのより、メフィスト賞作品っぽい感じがします。

☆ 読了後、あらすじをよく読んでみると…。

読み終わってから、あらためて上のあらすじを読むと、ホント騙されたな~って思う(笑)。
でも嘘ついてはいないんだよね。 書き方によって、こうも上手く騙されるもんなのか…。

このレビューを書くにあたって、アマゾンのレビューをいくつか見てみたんだけど、なぜか☆が少ない人が多いんですよね。 で、そのレビューを読んでみたら「本当にちゃんと読んだの?」って言いたくなるようなのが結構あっってちょっとガッカリした。 感想は人それぞれだけど、あんまりトンチンカンな感想は読んでて不快になるよね。

いつものように面白さランクをつけると、危なげなく『S』ランク。 そりゃ大賞作品ですから。
最近『S』が続きますね、ってそういう作品ばかりここ数日レビューしてるからなんですが。

総評

余談ですが、この表紙の写真を撮った青山裕企さんのファンなんです、私。
一時写真集集めてましたし。
この人の顔が見えない少女たちの写真が、そこはかとない無垢さとエロスを醸し出していて好きです。
完全にオヤジの意見ですが(笑)。

あ、次回は続編の「夏服パースぺクティヴ」のレビューです。



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