1/2の騎士(講談社文庫)

2013年01月07日 23:29


1/2の騎士 (講談社文庫)1/2の騎士 (講談社文庫)
(2010/01/15)
初野 晴

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サラリーマン小説家として活躍するミステリー作家・初野晴氏の作品。 厳密にはライトノベルではないんですが、これもラノベ好きに読んで欲しい作品、ということで紹介。
アーチェリー部の主将として活躍する少女・マドカが出会ったのは、サファイヤという名の“騎士”だった!?
1/2の騎士」(初野晴著/講談社文庫
作品紹介

“幸運のさる”を見つけた中学生が次々と姿を消し、盲導犬は飼い主の前で無残に殺されていくーー。
狂気の犯罪者が街に忍び寄る中、アーチェリー部主将の女子高生・マドカが不思議な邂逅を遂げたのは、この世界で最も無力な騎士だった。
瑞々しい青春と社会派要素がブレンドされた、ファンタジックミステリー。

☆ 美しき幽霊と共に、狂気の犯罪者たちに挑むマドカの見たものとは!?

最近講談社文庫が続いてますが、もう少しお付き合いください。
というわけで今回は、角川文庫「退出ゲーム」から始まる“ハルチカ”シリーズで知られる初野晴氏のファンタジー×ミステリー作品。 いずれ“ハルチカ”シリーズも取り上げようと思ってるんで、乞うご期待。

さてさてこの作品、はっきり言ってライトノベル好きなら絶対好きになれると思ったんで、今回紹介したわけなんですが、なんと言っても設定がいい。
アーチェリー部の主将として活躍するマドカが、サファイヤ(とマドカが命名)という幽霊(?)と共に、街に忍び寄る犯罪者たち『ドッグキラー』『インベイジョン』『ラフレシア』『グレイマン』が引き起こす事件に挑むという話。
マドカとサファイヤの出会いから、二人が出くわす最初の事件、そして4人の犯罪者たちとの対決。そして別れ。
どのパートも描写が丁寧に描かれていて、ミステリーとしてだけじゃなくて、ライトノベル的な(あるいは二人の青春物語)楽しみ方もできるのがおすすめポイント。 サファイヤが意外とキャラ立ってて、このままライトノベルとして売り出しても全然構わない気がする。
ただマドカとサファイヤの邂逅場面に関して、あまり多くを書けないのがもどかしい。 コレ書いちゃうとネタバレになってしまうので。 とにかくマドカにもサファイヤにも秘密が、とだけ言っておきます。

騎士叙任式 もりのさる
いわゆるゲームで言うところの、チュートリアル的なパート。
中学生たちのあいだで広まる“幸運のさる”の噂。 “さる”を見つけた学生が次々と行方不明になる事件が発生していた。 独自にこの事件を調査することにしたマドカとサファイヤだったが、サファイヤの指示でなぜかヤクザの事務所に乗り込むことに!?
サファイヤが見えるらしい通称ゴリラや、機械に詳しいキリンなどが出てきます。 彼らの存在が、後々効いてきます。 犯人もまだまだ“狂気の”という感じではないですが、このパートも後々伏線になっていきます。 というかこの作品、前の事件で出た人物が、次の事件で協力者になってくれたりと上手い。

序盤戦 ドッグキラー
飼い主の目の前で盲導犬が殺される事件が発生。 さっそく調査に乗り出すマドカとサファイヤ。
なんということない事柄から、犯行のヒントを得るところはガッツリミステリーしてますが、爺さんがカッコイイですな。 こういう人物がいると、作品が締まりますね。

中盤戦 インベイジョン
誰もいない部屋の中に何者かがいる気配が。 しかし侵入者の姿は見えず…。
真相の意外さでは、本作中一。 これは驚きだわ。 そしてあとからやって来る気持ち悪さ…。 よくこんなこと思いついたものだ…。

終盤戦 ラフレシア
マドカたちの住む街の天気を予報するサークルの代表者の女性・ハロ。
同じ頃毒ガスを使用する『ラフレシア』が出現し、事件を起こしていた。『ラフレシア』はハロの予報を見透かしたような行動をとっていることがわかり…。
ちょっと後味の悪い結末。 そしてサファイヤの様子が…。

一騎打ち グレイマン/灰男
姿を消したサファイヤを探し続けるマドカ。 やっとのことで見つけたサファイヤは体を思うように動かせなくなっており…。 一方新たに現れた『グレイマン』が起こす事件が続く中、アーチェリー部の仲間である加奈子が行方不明なってしまう。 マドカは協力者たちの力を借りて、捜索を開始する! そしてマドカとサファイヤの別れの時が…。
今までの登場人物総出演のラストパート。 グレイマンが完全にサイコな人ですが、最後の事件をサファイヤの力を借りないで解決するというのが感動的。 こういう展開弱いんだ。

☆ 寡作の初野作品の最高傑作。

兼業作家ということで、どうしても作品をコンスタントにというわにはいかないらしいんですが、最近は“ハルチカ”シリーズも出てますし、『トワイライト・ミュージアム』という作品も刊行されました。
今のところ初野作品はこれしか読んでないんで、最高傑作かどうかは、他を読んでみないとわからないですが、本作はミステリーとしても、ファンタジーとしても高い水準。 誰もが楽しめる作品であることは間違いないです。

総評

さて、“ハルチカ”シリーズはいつレビューできることやら…。 まだ買ってすらいないというのに。
でも近いうちになんとかしたいと思ってます。

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