天帝のはしたなき果実(幻冬舎文庫)

2013年01月05日 21:57


天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)
(2011/10/12)
古野 まほろ

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今回もメフィスト賞作品ですが、ある意味、西尾維新さんや佐藤友哉さんよりもクセ者な気がします。
というわけで、第35回メフィスト賞受賞者・古野まほろの登場です。 分厚い…。
天帝のはしたなき果実」(古野まほろ著/幻冬舎文庫
作品紹介

勁草館高校の吹奏楽部に所属する古野まほろは、コンテストでの優勝を目指し日夜猛練習に励んでいた。そんな中、学園の謎を追っていた級友が斬首死体となって発見される。犯人は誰か?吹奏楽部のメンバーによる壮絶な推理合戦の幕が上がる!青春×SF×幻想の要素を盛り込んだ、最上かつ型破りな伝説の本格ミステリ小説が完全改稿され文庫化。

☆ 青春×幻想×SF! 異形の本格ミステリ!

読んだのは結構前なんですが、メフィスト作品が続いているので、この際だから紹介したいと思います。
初、古野まほろ作品。 最近は「このミステリーがすごい!」にも、ちょこちょこ名前が出てくるようになりました。

舞台は以前紹介した「無貌伝」と一緒で、パラレルワールドの日本。 憲兵がその辺を歩いていたり、まるで戦時中の日本をそのまま現代に持ってきたような独特の世界。
読み終わった感想は、「とにかく長かった…」でした(笑)。
作品のページ数の多さもありますが、
アルバイトを“時間労”と書いたり、愛をリュボーフイ、趣味的をマニアックと、まるで中二病患者が好きそうなルビの振り方が全編にわたって登場。 さらに漢字が多いのなんので、とにかく読みづらい…。

始まってもなかなか事件が起こらず、登場人物たちがむやみやたらにペダンティックな知識を披露しながらの日常シーンを繰り広げます。
で、いざ事件が起こっても、まるで絵に書いたような本格ミステリ的な展開。 意外にも(笑)まともな推理を披露しますが、例によって文章が読みづらいので、下手すると何が起こってるのかよくわからないまま、置いていかれそうな気がします。 少なくとも、一回だけ読んで理解しようとは思わない方が身のため。
一応登場人物たちが吹奏楽部に所属しているので、当然演奏シーンがあるんですが、ここでもやたらマニアックな言葉の応酬で、言葉の意味はわからなくとも、少なくとも練習が鬼のような厳しさということだけはよくわかった。
そして比較的まとも推理によって事件が解決したな~と思ってたら、なぜか話がSF&伝奇ファンタジーの方向へ着地するというもう闇鍋状態の作品。
鏡家サーガと同じくアニメネタが入ってるけど、この作品の場合、こういうのが途中で入ってないととてもじゃないけど読み続けられない気がする。
『戯言』シリーズも鏡家サーガもそれぞれ人を選ぶ内容だと思うけど、この『天帝』シリーズは前の2シリーズとは別な意味で人を選びますね。 とにかくこのペダンティックで、漢字が多くて、独特のルビと、SF×幻想な内容に我慢出来るかどうかという意味で。

☆ とにかく熱量だけは『S』ランク級!

これ読んだ後で、鏡家サーガ読むとなんて読みやすいんだとホッとします(笑)。
とにかくミステリーとしてはまちがいなく規格外の作品なのはわかるんですが、ほぼ間違いなく万人に進められる作品じゃないです。
だからあえて『S』ランクだとは言わないけれど、このレビューで少しでも興味を持った方は、ちょっと覚悟して読んでみてはどうでしょうか?

総評

実はこの『天帝』シリーズ以外のシリーズもちゃんとある古野まほろ作品。 周りの評判を聞くと、講談社ノベルス『探偵小説』とか読みやすい作品も書いているらしいので、読んでみたいですね。 って実は積ん読の中に4冊ほどあるんですが(笑)。



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