雛鳥トートロジィ(メディアワークス文庫)

2012年11月24日 21:31


雛鳥トートロジィ (メディアワークス文庫)雛鳥トートロジィ (メディアワークス文庫)
(2012/08/25)
柴村 仁

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「プシュケの涙」「夜宵」の柴村先生のメディアワークス文庫の新刊。
ある日、自分の腹違いの妹が転がり込んできて!?
雛鳥トートロジィ」(柴村仁著/メディアワークス文庫
作品紹介

ある晩、仕事を終えて帰ってきた僕を待っていたのは、見ず知らずの女の子。中高校生と思われる彼女が言う。「あの、私…も、すみません、上野蔦夫、さんの、子供、なんです…けど」。夢にも思わなかった異母妹の発覚。平凡な僕の日常に、さざ波が立ちはじめた…。唯一の身内である叔母が突然海外留学へ。「実は、父親が生きているからそこでしばらく世話になれ」と言われ、訪ねた先で出会ったのは、腹ちがいのお兄さん。でも彼は、私のことを何も聞いておらず…。

☆ 平凡な兄の元に、腹違いの妹が!?

柴村先生の新作、ということで、期待はしていたんだけど、ちょっと期待しすぎたかもしれない。
何の変哲も無い鷲介の元に、ある晩やってきた予想外の訪問者。 それは全く存在を知らなかった腹違いの妹。
本作は突然やってきた腹違いの妹に、戸惑いを感じながらも、彼女の過去を知って、徐々に心境が変わっていく鷲介のパートと、叔母の突然の留学発言で鷲介の元に転がり込む破目になった鴇子のパートで構成。
鴇子のパートの方が、ちょっと癖の強い友人・小塚や、自己中な叔母といったキャラクターのおかげで、結構楽しめます。小塚さんが尖がりすぎて、なんだかえらい事になってますが、こういう友人がいると大変そう。 大変といえば、叔母も実際にこんな感じだったら、苦労が絶えないだろうな。 自己中な親って怖いよ…。
ただ鴇子のパートに比べると、鷲介のパートがちょっと弱い。 いきなりやってきた鴇子に対する戸惑いはよく描かれてるものの、なんだかパートを分けてしまったせいで、プロローグで終わってしまった感が凄くある。 もうちょっと長くやってくれても、面白くなった気はするけど、それだと長くなりすぎるのかも。

しかし実際、ラブコメとかにも振れそうな設定なのに、あえてリアルに描いてみせた柴村先生。
そのチャレンジは面白いとは思います。 もうちょっと続きを書いてくれたら、もっと評価が上がったかもしれないですけど、鴇子のパートの切実さは、ちょっと男性作家には出せない味でした。

☆ 腹違いの妹との生活は…。

自分は離婚とか浮気といった問題に縁がないですけど、実際こういう状態になったら、テンぱるだろうな・・・。
突然生活費が2倍に増えてしまうから、それだけ辛くなるわけで、実際トイレの『2回に1回流す』ルールは、必死さが伝わりすぎて泣ける(注:小に限る)。
ライトノベルでよくあるように、『妹キター』な展開には絶対ならないだろうな。 それどころじゃなさ過ぎる。

総評

柴村先生の新作は久しぶりだったけど、もうちょっと上を期待したいですね。
こういうリアルなのもいいけど、個人的には『夜宵』みたいなのを読みたい。

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