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サエズリ図書館のワルツさん1(星海社FICTIONS)

2012年10月14日 23:01

サエズリ図書館のワルツさん 1 (星海社FICTIONS)サエズリ図書館のワルツさん 1 (星海社FICTIONS)
(2012/08/17)
紅玉 いづき

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「星海社カレンダー小説」でも素晴らしい短編を寄せていた、紅玉いづき先生の新作。
設定的に「ビブリア古書堂」シリーズを思わせるところがありますが、こちらはミステリーというより、近未来の本に関するハートフルストーリーといった感じ。 でもハートフルだけじゃない。
サエズリ図書館のワルツさん」(紅玉いづき著/星海社FICTIONS
作品紹介

本が手の届かないほど遠くにあると思っていたこと。
本が母と娘を繋ぐ絆であったこと。
本が祖父への畏れであり、忘れ得ぬ思い出であったこと。
そして、強すぎる願いゆえに、たった一冊の本すら手放せないこと。
そこにあるすべての本には数え切れない“想い”があり、そこに集うすべての読者にはその数だけの“物語”があった。
さえずり町のサエズリ図書館。
それは本の“未来”が収められた、美しく、不思議な図書館。
紅玉いづきが詠う、すべての書物への未来譚(ラブソング)――。
あなたにとっての大切な一冊は、きっとここでみつかる。

☆ 本がデータと化した近未来。“サエズリ図書館”と紙の本を巡る物語。

紅玉いづきさんは、「ミミズクと夜の王」で電撃文庫からデビューしたことは知ってましたけど、今までなんだかんだで読む機会が無くて、この間の「星海社カレンダー小説」所収の「青春離婚」が初めての紅玉作品だったり。
その電撃文庫では異色の作風から、どちらかというと、私よりも妹の方がファンだったりして、気になってはいました。
そんな紅玉先生の長編に初挑戦。

「ミミズクと夜の王」を読んでないんで、紅玉先生の作風がまだイマイチつかめてないんですが、本作に関しては、近未来のSF的な設定ながら、サエズリ図書館を訪れた人たちの、紙の本を巡る優しさに溢れた物語が展開されます。こういう優しさに満ちた話は、たまに読むといいですな。

サエズリ図書館のカミオさん
仕事で失敗ばかりしているカミオさんは、イライラから車の接触事故を起こしてしまう。
車の持ち主に事情を説明しようと、カミオさんが入ったのは、『サエズリ図書館』という不思議な図書館で―――。
まずは導入の1話。 割津唯なんてスゴイ名前ですが、案外いるかもしれませんね、この苗字は。
本の持ち主の居場所が分かるとか、凄くSFな設定が出てきます。 ワルツさんスゲー。
こういう話の場合、本を紹介してもらうことで、何か生活に変化が起きるとか、そういう展開になりそうなんですが、その方向には行かないんですよね。 ちょっと意外。

サエズリ図書館のコトウさん
教師の仕事が忙しく、娘と一緒にいる時間が無いことに悩むコトウさん。
サエズリ図書館を訪れた彼女は、本が嫌いな警備員のタンゴ君と、とある兄妹に出会う。
コトウさんは兄妹と触れ合っていたが、ある日、妹のエヴァがいなくなってしまい―――。
コトウさんの、タンゴ君や、エヴァとの触れ合いの中で、変化する心の変遷が細やかな作品。
この話の最後、クレーマーの老人の件で、ワルツさんの過去がちょっとだけ垣間見えたり。 彼女の過去は、本作の最終話で一気に明かされます。

サエズリ図書館のモリヤさん
ある目的のために、サエズリ図書館を訪れたモリヤさん。
彼はワルツさんに「祖父の本を貸し出し停止にしてほしい」と無茶な要求をする。
拒否するワルツさんに対して、脅迫とも受け取れるやり方で詰め寄り、頑として譲ろうとしないモリヤさんに、ワルツさんが放った言葉とは―――。
モリヤさんの悪質クレーマーぶりに、最初は辟易しますが、最後の最後でそれには理由があることがわかってよかったです。あと図書館ではお静かに。

サエズリ図書館のワルツさん
サエズリ図書館の蔵書が、勝手に持ち出されていたことが発覚。
「どんなことがあっても、蔵書は必ず返してもらう」という図書館のルールを守るため、ワルツさんは、荒廃した都市部に向かう。 そこで彼女が見たのは―――。
明かされるワルツさんの過去。 どうして彼女は蔵書を守ろうとするのか。シリアスな話が続きます。
盗んだ犯人の言い分も分からなくはないけど、盗んでいい理由にはならないですよね。
この辺はなかなか厳しい展開だなと思いつつ、ワルツさんは立派だなと感心。

☆ 「よい読書を」って言葉が響きます。

「ビブリア」がミステリーというジャンルを通して、本を巡る人たちの物語を語っているのに対して、本作はSF的設定の中で、紙の本の可能性を信じているワルツさんの物語という感じなのかな。 どちらの作品も、作者の紙の本が好きだという気持ちが、文章から伝わってきましたね。
1とついているということは、2が出るって事でいいのかな?

総評

紅玉さんの作品、ほかにも読んでみたくなりましたね。 「ミミズクと夜の王」といい、他の作品はまた毛色が違うみたいなんで、ちょっと気になりますね。

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