飛べない蝶と空の鯱 ~たゆたう島の郵便箱~(ガガガ文庫)

2012年07月14日 23:11

飛べない蝶と空の鯱 (ガガガ文庫)飛べない蝶と空の鯱 (ガガガ文庫)
(2012/05/18)
手島 史詞

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ガガガ文庫で、久しぶりの本格ファンタジーを読んだ気がします。
「とある飛行士」シリーズじゃないけど、やっぱり空を舞台にした作品って良いな。
飛べない蝶と空の鯱 ~たゆたう島の郵便箱~」(手島史詞著/ガガガ文庫
作品紹介

約束だ。一緒に飛ぼう。空の最果てまで――

霧の上に島が浮かび、島々を行き交う交通手段は「空を飛ぶ」ことだけーー。
「霧妖」という魔物が棲む霧の海の上を飛び、命がけで人々の「想い」を運ぶ「武装郵便屋」の少年・ウィルと、その相棒(バディ)の不思議な少女・ジェシカの物語。
飛ぶのがヘタで風を読めないウィルと、過去の事件がきっかけで空が怖くなったジェシカ。それでも空に憧れ、飛ぶことにこだわる二人は、この世界の人々の唯一の情報伝達手段である、「封書」と呼ばれる記憶を封じ込めることができる手紙を運ぶ「郵便屋」を開業する。
ある日、二人に<夜姫>と呼ばれる少女から「届けて欲しい」と封書が持ち込まれる。しかし、厄介なトラブルメーカーである彼女の依頼が、まともな荷物なはずがなく……。
「影執事マルク」シリーズで人気、実力ともに評価される手島史詞が紡ぐ、最高に爽快な「空飛び」冒険ファンタジー。
イラストは『ブラック・ブレット』『カレイドメイズ』などの繊細で美麗な絵が好評の鵜飼沙樹。

☆ 想いを伝える“封書”を届ける少年と少女の、本格スカイファンタジー!

最近の読書傾向として、ライトノベルはラブコメ率が高くて、こういう本格ファンタジーものを読むことは意外と少ないんですが、SD文庫の「六花の勇者」といい、ここ最近は良質の王道のファンタジーに出会えて個人的には嬉しい限り。
その上今回は、魔物が住む霧の上を飛び交うスカイファンタジーとくれば、いやにも期待が高まりますね。
で、実際読んでみたら、期待以上の冒険活劇で、久々に熱の入った感想が書けそうな作品です。ちなみにタイトルの「鯱」はシャチと読みます。

そもそも「ラピュタ」とかもそうだけど、空が舞台の冒険ファンタジーってだけでかなりのポイントが高いですが、こういう作品の場合、空を飛んでる爽快感とか風が吹いている感じがよく出ていて、もうマイナスポイントが見当たらない。
「翼舟」という乗り物のネーミングも好みだし、いろんなエピソードが作れそうな設定が沢山あり。
それに主人公・ウィルとヒロインのジェシカのキャラクター設定も、ありきたりなところを上手くずらしていて、飽きさせないです。 ジェシカが人間嫌いで、ちょっと上から目線なのがGOOD。ウィルもうっとおしくない程度に行動派の主人公で大変よろしい。
ほかにも謎の多いヒルダ、警察官のポールマンなど、登場人物は正直言って数えるぐらいしかいないんだけど、その少ないキャラクターの性格がとてもよく作ってあって、キャラクターは数が多けりゃ良いってわけじゃないことを証明してくれます。
おまけに展開もちょうどいい感じに速くて、ヒルダから謎の“封書”を受け取ってからの展開は、うまく追跡劇に持っていきましたね。封書のせいでいろんなグループから終われる展開って大好物。 最後はちょっと切ない感じにさせてくれ、至れり尽くせり。
なんか2時間もののアニメ映画を見た感じです。まさしく「ラピュタ」を見た後みたいな。
霧の中に住む魔物「霧妖」、ジェシカの出生の秘密、ヒルダの過去と気になる設定も続々と出てきて、これだけ設定がしっかりしていれば、続篇を作るのは難しくないでしょう。
続きが大変に気になるファンタジー。 そんな作品でした。

☆ 最近は“本格”な作品が読みたい!!

最近はライトノベルでも本格志向が高まってきている私。ミステリーとかファンタジー、SFでもなんでもそうだけど、やっぱり本腰入れて作っている作品には、好感が持てるし、自然と高評価になるよね。
やっぱりそうなってきたのは、ハーレムラブコメとかゆるゆるコメディ、あるいは中二病全開の能力者バトルものに食傷しているせいもあるのかも。(もちろんこちらも、本腰入れていれば別ですが)
そういう流行に囚われない、我が道を突き進んでる作品を、応援していきたいですね。

総評

読むライトノベルが全部このぐらいのクオリティだったら、私としても大変嬉しいんだけど、そういうわけにもいかないのが現実ってもんで。 でも、こういう本格ファンタジーはちょっと増やしていきたいなと思っている所存。

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