クロノスの少女たち(朝日ノベルス)

2011年10月03日 23:17

クロノスの少女たち (朝日ノベルズ)クロノスの少女たち (朝日ノベルズ)
(2011/08/19)
梶尾 真治

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初、朝日ノベルス。
著者の梶尾真治氏は「おもいでエマノン」やら、数年前に映画化された『黄泉がえり』の原作者。
ということでばりばりのSF・ファンタジー畑のお方。沖方丁氏や、森見登美彦氏も受賞した日本SF大賞を受賞したこともあります。これはそんな著者が中学生向けに連載していたもの。
クロノスの少女たち」(梶尾真治著/朝日ノベルス)
作品紹介

平凡な中学生、山中彩芽は重大な事故に遭った。だが、少女はすでに誓っている。「私は死なない。たとえ、時の流れを変えてでも」。まさに命がけの、スリリングな挑戦を描く「彩芽を救え!」と、大好きな伯父さんを苦境から救う冒険「水紀がジャンプ!」を併録。はたして、時の神は、不屈の少女たちにどのような審判を下すのか。斬新な着想に満ちた“クロノス”最新作。

☆ 時間SFの名手が送る、「時をかける少女」の物語!

前もって断っておくと、この作品は厳密にはライトノベルというよりは、ジュブナイル小説といった方がしっくり来るかもしれない。というわけだから、若干低年齢向けの内容。
と言っても、内容はちゃんとSFしているので、ご安心を。
この作品は著者が得意とする時間SFの中篇が2つ収録。どっちも女の子が主人公なので、若い人たちにも読みやすく、感情移入しやすい。

彩芽(わたし)を救え!
友人のさつきに連れられて、同じ学年の想い人・林原翔と待ち合わせしていた中学生の彩芽。 彼女は同じく彼に思いを寄せるさつきに遠慮して、自分の本当の気持ちを言い出せずにいた・・・。
ところが信号を待っている時、3人に向かってトラックが! 意識が遠のく彩芽・・・。
気がついたとき、彩芽は近くにいたおばさんの体に乗り移っていることに気付く。そして目の前には、トラックにはねられた自分自身が倒れていて―――。
事故によって、魂?の状態になってしまった彩芽が、他人の中に移ると、時間が巻き戻ることを利用して、自分自身を事故から救おうとする話。 要は「まどマギ」みたいな時間ループもの。
他人の中に入ると、その人と心の中で交信することができるのですが、それによってうっとおしく思っていた家族の心の内を知っていくのが、よかったですね。
林原君に移ってからの展開は、ちょっと出来すぎているような気もしたけど、まあ、いいじゃないですか。 ジュブナイル作品なんだから、多少夢見たって。こういう甘酸っぱい展開ができるのが、ジュブナイルの魅力ですよ。
最後には、なぜ時間が巻き戻るかの説明もなされて、めでたしめでたしと。

水紀がジャンプ!
突然いなくなってしまった伯父さんを訪ねて、住まい兼研究所にやってきた水紀。
そこで見つけた小さな機械のスイッチを入れてしまった彼女は、機械に吸い込まれてしまった!
そして中で見たのは、スクリーンに映し出された伯父さんの姿と、伯父さんが過去にタイムスリップして、アクシデントにより現在に戻れなくなってしまったという事実だった・・・。伯父さんを助けるため、水紀は指示を頼りに、自らもタイムスリップすることに―――。
タイムマシン(クロノス・ジャンパー)がなぜかランプの形をしていたり、途中で降り立ったのが、イラクだったり、アラジンという名の若者が助けてくれたりしますが、ご都合主義と言うのは野暮ってもんでしょう。
所々に科学ウンチクが入っていて、ためになります。そう、恐竜は肌の色までは分かってないんですよね。

どっちも読みやすいです。普段読書をしない、若い人たちに是非どうぞ。

☆ ほかの梶尾作品。

梶尾真治氏というと、真っ先に「おもいでエマノン」が出てきますね。コミック版も読んだことあります。
地球が生まれてからの記憶を全て持っている女性・エマノン(No nameの逆読み)の、遭遇する人々との触れ合いを描いた連作短編集は、SFファン、ラノベ読みには必読です!

おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)
(2008/05/20)
鶴田 謙二、梶尾 真治 他

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ちなみに最新作の「ゆきずりエマノン」も発売中。

ゆきずりエマノンゆきずりエマノン
(2011/05/17)
梶尾 真治

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総評

たまにこういう純粋なジュブナイル読むと、心が癒されるわ~(笑)。
子どものときの感動を、忘れないようにしたいものです。

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    クロノスの少女たち/梶尾真治

    ◆読んだ本◆ ・書名:クロノスの少女たち ・著者:梶尾真治 ・定価:940円 ・出版社:朝日ノベルズ ・発行日:2011/8/30 ◆おすすめ度◆ ・少女向けSF短編小説度:★★★ ・愛と友情と冒険度:★★★ ...