虚構推理 鋼人七瀬(講談社NOVELS)

2011年09月18日 00:33

虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)
(2011/05/10)
城平 京

商品詳細を見る

前から気になってた作品。
著者の城平京氏は、昔ガンガンで連載されていた「スパイラル~推理の絆~」(懐かしい!)の原作者。
人々の想像力によって生まれた都市伝説「鋼人七瀬」を倒すために、自身も怪異な存在の女性・岩永琴子が、恋人で不死身の九郎、警官の紗季と共に“虚構の構築”に挑む!
虚構推理 鋼人七瀬」(城平京著/講談社NOVELS)
作品紹介

「そんなの推理じゃなくて、欺瞞じゃない!?」真実を求めるよりも過酷な、虚構の構築。自身もまた怪異的な存在である岩永琴子の推理と知略は本物の怪異が起こす事件を止めることができるのか。

☆ 都市伝説「鋼人七瀬」・・・特殊な怪異に対抗する術は。

著者の城平京氏が「スパイラル~推理の絆~」の原作者だと知って、懐かしくなりました。
あったね~、そんな漫画。 今の若い人は知らないだろうけど・・・。 アニメ化もされて、しっかり見てた記憶があります。 というか普通にミステリ作家の方だったんですね。

で、感想だけど、超面白い!!
正直読む前は、ここまでの作品だとは思ってなかった。 ラノベとして扱うなら、間違いなくSランク。
というか最近Sランク連発だな~(笑)。
最大の特徴はなんといっても“虚構の構築により、人々を納得させる”という点。
真実の追究ではない、というところがミステリーとして新しい。
「鋼人七瀬」は普通の怪異と違い、人々の想像力(噂)によって生まれた怪異なので、いくら退治しても、多くの人々が噂を信じ続ける限り、何度でも蘇ってしまう。 そこで、この作品の探偵役・岩永琴子が選んだのは、
真相を踏まえた上で、「鋼人七瀬」の噂以上の魅力的な虚構を作って、人々に流布させて怪異の力を弱める”という方法。
この“嘘でも良いから、相手を納得させれば勝ち”というコンセプトって、以前このブログで紹介した、同じく私的Sランク作品の「丸太町ルヴォワール」(講談社BOX)とほぼ一緒。 今ミステリー界では、こういう流れが来ているのかもしれない。

さてキャラクターの方に話を移すと、「スパイラル」で原作提供していただけあって、キャラクター描写は手馴れたもの。
どのキャラクターも個性的で、ちゃんとキャラが立ってる。
探偵役の岩永琴子はその昔、謎の失踪事件により片足と片目を失い、怪異的な存在として、怪異を使役?することができるのですが、なんだか重たそうな過去を持つ変人の割りに、恋人の九郎に対しては引かれるほどのがっつきっぷりを発揮したりして、重くなりすぎないところがいいですね。
そして九郎の元恋人・紗季が現れてからは、現恋人としてあからさまな対抗心を燃やすのも微笑ましい。
二人の静かな漫才のような会話も注目。
その岩永の恋人・九郎も、人魚の肉と「くだん」の肉を食べて、不死身の体と未来を見通す能力を持っているというトンデモな男なのですが、この一見設定の持ち腐れになりそうな設定が、作品の中でちゃんと機能しているのはスゴイ。
そしてなんといっても「物言わぬキャラクター」として、鋼人七瀬という存在の秀逸なこと。
「鋼人」という男くさい言葉と、「七瀬」という女の子の名前のシュールなドッキング。
そして巨大な胸を揺らしながら(笑)迫ってくるインパクト。
ミニスカートのドレスと鉄骨というギャップ&揺れる大きい胸(笑)が、ものすごい私の琴線に触れてきます。
どうやら私には、女の子×悪役×巨乳×チートな強さというコンボがツボみたいです(笑)。
実際に死人が出てしまったことで、噂の力が大きくなり、急速に力を得ていく「鋼人七瀬」。
最後の九郎とのバトルでは、ミニスカートを膨らませ、プリンのように揺れる大きい胸を揺らし(笑)鉄骨を振り回して迫ってくる「鋼人七瀬」。ホント絵になるねコレ。 誰かアニメにしてください。
そして倒れても倒れても、再生して立ち上がってくる「鋼人七瀬」の姿に、グロさを感じながらもエロスを感じる自分は本格的にヤバイのかもしれません。
なんとなく「最終的に鋼人七瀬が巨大化して、鉄骨を振り回してビル群を倒壊させる」とかになったら面白いな~、とかバカな妄想をしていたら、岩永がまんま同じことを口走ったので笑った。ああ、私の頭はヤバイですね。マジで。
でも見たかった「大鋼人七瀬」(笑)。
そしてただでさえ大きい胸が、さらに巨(以下自主規制)


☆ 岩永が示す“虚構の推理”とは!?

この作品の解答編にあたるパートでは、「鋼人七瀬」の誕生の真相を4通りの虚構の物語として、提示してくるわけですが、毎度思うけど、ミステリー作家の方って一つの事件からよくこんなに違う考え方が出るよね・・・ホント尊敬します。
といってもこの作品の場合、「いかにうまい嘘がつけるか」というところが見所。
確かに最後の4番目みたいな真相だったら、ドラマもあって、噂としては面白いよね。

コレ、シリーズ化して欲しいな~。
だって明らかに続きがあることを示唆しているし、いろんな方向に話を持っていけそうな世界観だし。
続きが出たら100パーセントで買うね、きっと。

総評

最初、これをライトノベルとして分類するかどうか悩んだけど、
もう最近は一般文芸でも、興味のあるものはどんどんレビューしていこうかなと。
だってもうすぐ西尾先生の「少女不十分」があるんだもの。

お詫び:naomatrixが興奮のあまり、記事の中に不必要に「プリンのように揺れる大きい胸」的描写が多く入れてしまったことをお詫びいたします。

にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ
にほんブログ村
スポンサーサイト


コメント

  1. つかボン | URL | oYabFkKc

    おー、城平京先生ですか。
    私も先日気になっていたデビュー作の『名探偵に薔薇を』を読みました。あまりに秀逸すぎる「名探偵」という生きものへのアプローチに鳥肌が立って、しばらく茫然自失してしまうほどの出来でした。
    この虚構推理も同時購入して積んであるので、近々読もうと思います。
    先入観なしで挑みたいため感想は読んでいないので、記事の内容に触れらなくて申し訳ないですが。

    この人漫画原作ばかりで小説の既刊数が少ないので、もうちょっと小説の方も頑張ってほしいなあと思います。もっと色んな人に知られて、売り上げが伸びれば城平先生も仕事をせずにはいられなくなるのでしょうがw

  2. 響 | URL | -

    この本は面白かったですね~。
    推理小説としてもラノベとしても秀逸だと思います。
    今城平さんが原作やってる絶園のテンペストも面白いですよ!

  3. naomatrix | URL | -

    Re: タイトルなし

    >つかボンさん
    今回の「虚構推理」が非常によかったので、「名探偵に薔薇を」も読んでみたくなりました。
    もっと有名になってほしいですね!

  4. naomatrix | URL | -

    Re: タイトルなし

    >響さん
    絶園のテンペスト、読んでみたくなりました。
    何か城平先生の作品で、オススメの品はありますか?

  5. セティ | URL | pGPkdY.Y

    はじめまして!
    スパイラル~推理の絆~は読んだことがあります。同じ原作者ならちょっと読んでみたいと思います。

  6. naomatrix | URL | -

    Re: タイトルなし

    >セティさん
    コメントありがとうございます!
    城平先生の作品は他にもありますので、私もいろいろ挑戦したいと思います!

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://matrixblog.blog65.fc2.com/tb.php/721-f4522aa1
この記事へのトラックバック