ペンギン・ハイウェイ(角川単行本)

2011年09月04日 23:32

ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
(2010/05/29)
森見 登美彦

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初、森見登美彦作品。
第31回日本SF大賞受賞作です。
住宅街に突如現れたペンギンと、お姉さんの謎をアオヤマ君は解けるのか!?
ペンギン・ハイウェイ」(森見登美彦著/角川単行本)
作品紹介

小学4年生のぼくが住む郊外の街に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎の研究を始めるが―。冒険と驚きに満ちた長編小説

☆ ペンギンとお姉さんとおっぱい(笑)。 森見版「ソラリス」。

舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日」に続き、一般書籍の紹介。
森見作品はどっちかというと、妹の方がよく知ってるんですが、私が内緒でコレを買ったことを伝えたら、なんと妹も買ってやがった(笑)。1600円+税返せ(笑)。

というわけで、はじめての森見作品。
いや~これはいいジュブナイル。そしてSFとしても、幻想味があって、大変楽しく読ませていただきました!

主人公は小学生にしてはちょっと大人びて賢い少年・アオヤマ君。
こんな小学生いるか!って思ってしまうぐらい、大人びた言動にちょっとユーモアが漂ってますね。
そして大人びているのに、おっぱいに関して異様な執着を見せている辺りが可愛い(笑)。 
そんな彼が住む町に、ある日突然、ペンギンの群れが出現。
早速興味を惹かれたアオヤマ君は調査を開始。 そして調査の過程で、この現象に彼が憧れている歯科医院のお姉さんが関わっていることを知る・・・。
アオヤマ君とお姉さんの会話が楽しい。アオヤマ君、お姉さんのおっぱいばっかり見過ぎ(笑)。
ペンギンたちの描写が幻想味あふれてて、コレだけでも読み応えがあるんですが、一方でこんな軽妙な会話が交わされているから、変な脱力感があります。 しかし、アオヤマ君の大人びてユーモアのある会話のおかげで、不思議と下品さは感じないです。

小学生が主人公ということで、当然小学校の描写があるわけですが、なんか懐かしいですね。
アオヤマ君の冒険仲間・ウチダ君。 チェスが強い女の子・ハマモトさん。 そしていじめっ子のスズキ君。
ホント思うのだけど、なんで小学生のときって、スズキ君みたいな奴が、必ずクラスに一人いるんだろうね? 私が小学生の時にもいましたよ。
スズキ君は仲間たちと、アオヤマ君に目をつけていじめるわけですが、アオヤマ君がまったく応えてない辺りが、そこらのジュブナイルと違うところ。 アオヤマ君が妙に物分りがいいので、スズキ君は面白くなくて、さらにいじめてくるように。
私も小学生のときは、どっちかと言うといじめられっ子でしたが、いじめっ子の心理って今なら分かる気がします。
要は自分と明らかに違う存在・自分の思い通りにならない存在がいるのが、気に入らないってことなんだと思いますね。
子供というのは、基本的にストレートに行動してしまうので、そういった気に入らないと言う思いをすぐ行動に起こしてしまう。そして言葉のブレーキがないから「バカ」「死ね」とかよく考えずに平気で言ってしまう。ある意味大人より残酷ですよね、この辺は。
スズキ君たちが、アオヤマ君に関わっていく中で、どう変わっていくのかにも注目。
そしてハマモトさんは、アオヤマ君と行動を共にするようになってついには・・・この辺りは、お約束だけど、おませですね、彼女も(笑)。 「恋」というものを知る前の、くすぐったい関係が微笑ましい。
奇妙な事件を追う一方で、このような日常も並行して描かれていて、さっきも書いたけど、とても懐かしくなりました。
もちろん冒険部分もイイ。森の奥で草原を発見して、秘密の観測基地を作るところなんか、王道だけど琴線に触れるところがあります。 子どもの時って秘密基地とか自分しか知らない場所とか憧れたな~。
こういう作品、子どもの頃に読んだら、一生忘れないだろうな。

ところで見出しにも挙げた「ソラリス」とは、海外のSF作家スタニスワフ・レムが発表した「ソラリス」のこと。

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)
(2004/09)
スタニスワフ レム

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一面海に覆われた星・ソラリスを観測するステーションで奇怪な現象が発生。
主人公ケルヴィンの前に、自殺したはずの妻・ハリーが現れて―――という話。
ソラリスは人間の記憶を読み取って、それを形にしてしまうことができるのだけど、復活したハリーはケルヴィンの「記憶の中のハリー」でしかなく、本物のハリーを知るケルヴィンは戸惑います。
コレ、SF史に残る大傑作なんで、気になったら読んでみてください。あとタルコフスキー監督が作った映画も。(スティーヴン・ソダーバーグ監督のリメイク版もあります)
それはさておき、この「ペンギン・ハイウェイ」も後半、海が出てきて、ペンギンとの関係性が明らかに。そしてお姉さんとの関係も。
クライマックスは映像にしたら、非常に幻想的な絵になるに違いない。 そして、ラストはほんのちょっぴり切ない。 別れを経験して、子どもは大人になっていくんですよね・・・。

本屋大賞ノミネートも納得。男性女性、大人子ども問わず、子どもの時の冒険心を忘れていない方、超オススメです!!

☆ 森見作品について・・・

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
(2008/12/25)
森見 登美彦

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妹が異常にプッシュしてくる作品(笑)。 そのうち読んでみようかな。

四畳半神話大系 (角川文庫)四畳半神話大系 (角川文庫)
(2008/03/25)
森見 登美彦

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アニメにもなった作品。実はアニメ見てないのです。 レンタルで見よう。

妹って、どうもこの表紙描いてる中村氏のファンらしいんですよね。
だから「神様のカルテ」「謎解きはディナーのあとで」も買ってくるんだな(笑)。
でもこういうのってラノベではもう当たり前にやっていることですよね。 ラノベ的手法がここまで主流になりつつあるんだな~としみじみ思った次第。
関係なかったですね、この話(笑)。

総評

今回は久々に長めでしたね。
でもホント良かったですよ、この作品。アニメにしたらいいんじゃないか。
実写だったら、旭山動物園からペンギン連れてくるとかすれば、もしかしたら・・・。



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コメント

  1. 藍色 | URL | -

    こんにちは。同じ本の感想記事を
    トラックバックさせていただきました。
    この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
    お気軽にどうぞ。

  2. naomatrix | URL | -

    Re: タイトルなし

    >藍色さん
    ブログ訪問ありがとうございます。
    気が向いたらトラックバックしたいと思います。

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