丸太町ルヴォワール(講談社BOX)

2011年07月17日 23:55

丸太町ルヴォワール (講談社BOX)丸太町ルヴォワール (講談社BOX)
(2009/11/05)
円居 挽

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BOOKDAYs!」のつかボンさんが絶賛していたので購入。
レビューを見るとかなり評価が高そうだったので、期待しております。
「Powers Selection[新走]」でも短編を発表していた、円居挽氏の長編デビュー作!
丸太町ルヴォワール」(円居挽著/講談社BOX
作品紹介

祖父殺しの嫌疑をかけられた城坂論語は、変幻自在の論客が丁々発止の応酬を繰り広げる私的裁判“双龍会”の被告となる…容疑を解くためではなく、事件当日、屋敷の一室で二人きりの甘く濃密な時間を過ごした謎の女性“ルージュ”と再会する、ただそれだけのために…。

☆ 消えた“幻の女”は殺人者? 私的裁判で明らかになる衝撃の事実!

今、読み終わったところです・・・・・・。たった今決定しました。
私の中の最高評価「S」ランク作品に決定です。
ちなみに今の所このブログで「S」ランク認定の作品は、

・「神戯 ~DEBUG PROGRAM~ Operation Phantom Proof」(神世希著/講談社BOX
・「戦闘破壊学園ダンゲロス」(架神恭介著/講談社BOX
・「15×24シリーズ全6巻(新城カズマ著/集英社スーパーダッシュ文庫)
・「涼宮ハルヒの消失」(谷川流著/角川スニーカー文庫)
・「涼宮ハルヒの分裂」「驚愕(前)」「驚愕(後)3部作(谷川流著/角川スニーカー文庫)

とこんな感じ。なかなか尖がった作品ばかりですがついに6作目がここに。
いや~これは素晴らしい!!

講談社BOXでミステリーと聞くと、どうしても西尾作品かその亜流を想像してしまうのですが、これは全然違った。
確かに会話の妙みたいなものはあるけれど、中身はちゃんとした本格ミステリー。
作品中にも出てきますが、ウィリアム・アイリッシュが書きそうな“幻の女”もの+法廷バトル。
ミステリーのジャンルとしては割りと古風だけれど、ちゃんと現代的(ラノベ的?)アレンジがなされていて、キャラクター造形もなかなか。京都の風景描写も新鮮でイイ! まさかラノベで法廷バトルが読めるとは思わなかったよ。
おまけに巧妙な伏線とどんでん返しの連続&甘美なラブストーリーの側面もあって、もうご馳走様です(笑)。
どんでん返しに付き物の叙述トリックもあって、見事に引っかかってしまいました。いや~、これは騙されるわ。

一番の見所は私的裁判“双龍会”での一進一退の攻防。
サスペンスドラマではよく見るけど、つまんない三文ストーリーではなく本物を見た気がしました。
やったことはないけど「逆転裁判」とか、ああいうのをやっている気分になりましたね。
古色を帯びた設定でも、キャラクターとかに力を入れたり見方を変えることで、新たな風を送り込むことができるという好例。
新しい事実が出るたびにハラハラしっぱなしで、本当に楽しく読ませていただきました!!

☆ ミステリーであると同時に至極のラブストーリー。

ミステリーの部分もさすがなんですが、それ以上に論語と“ルージュ”の初恋と再会がスッゴイ洒落ていて素敵でした。
謎めいた出会い。そして三年越しの意外な再会。繰り返すようですがウィリアム・アイリッシュ作品が現代に蘇ったようでした。最近こんな気の効いたラブストーリー読んだことなかったんで、ホント得した気分。
これ、映画にしたらいい作品になるだろうな~。
これはラノベ読み以外にも自身を持って勧められる、素晴らしい作品です!!

ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)というミステリー作家は、私もすごく好きで結構影響を受けたりしてます。
あのヒッチコックの映画「裏窓」の原作者でもあります。

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))
(1976/04/30)
ウイリアム・アイリッシュ

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無実の罪で死刑判決を受けてしまった親友を助けるために、ロンバートは彼が事件発生時一緒にいたという女性を探すことに。
ところが親友はその女性の容貌や名前を一切覚えておらず、そのとき一緒にいた人たちも「そんな女性はいなかった」と言う。
雲を掴むような捜査が続く中、事件のキーパーソンたちがことごとく事故死してしまう。
これは偶然なのか? そして刻々と迫る死刑執行までのタイムリミット・・・・・・。
これは本当にいい作品。私がミステリーにハマルきっかけを作ってくれた作品でもあります。
アイリッシュの作品は長編・短編共に、極上のサスペンスの中にラブストーリー的な要素がスッと入ってくるところがイイですね。
長編では「暗闇へのワルツ」が大好き。一人の悪女が本物の愛に目覚める過程に珍しくマジ泣きしました。ぜひ読んでみてください!!

総評

自信を持ってオススメします!!
書店で見つけたら、レジへGOだ!!




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コメント

  1. つかボン | URL | .R6HY82k

    気に入っていただけてよかったです。Sランクも納得のできでしたよね。
    映画にしたら~はちょっと難しそうですね。どうしてもこれだけの叙述トリックを映像上で成立させるのは至難の業かと。
    でも、なにかの形でメディア化してくれるととても嬉しいです。

  2. naomatrix | URL | -

    Re: タイトルなし

    >つかボンさん
    この作品で特徴的なのは、「真実を求める」というミステリーの基本的要素に加え「虚実を駆使し、合理的な説明をつけて相手を納得させる」楽しみみたいなものがあったところじゃないでしょうか。
    こちらも嘘をついていい、というところがなかなか新しく感じました。
    確かに叙述トリックを使った作品は映像化が難しいんですよね~。でも、このままメディア化しないのも惜しいな~と思ったり。叙述トリックを使った作品の中でも「シャッター・アイランド」とか例外があるわけですけど、なんとかやってくれないでしょうか・・・・・・。

  3. サクラ | URL | -

    初コメですー。

    双龍会での討論はレベルが高かったですよね。
    よくここまで複雑なロジックをくみ上げられたという感じです。
    イカサマも許されるというところが、少し新鮮でした。
    文章とか、入りづらいところもありましたが、よくできた一作だったと思います。

  4. naomatrix | URL | -

    Re: タイトルなし

    >サクラさん
    コメントありがとうございます!!
    「真実を明らかにする」ことよりも「相手を説得する」ことに重点が置かれているというのは、ミステリーとしては新機軸ですよね。サクラさんも(先生と言った方がよろしいですか?)同じ講談社BOXの作家として、ちょっと意識したりしたのでしょうか?
    今年中にこのシリーズの新作(多分?)「東山エクレール」が出るので、期待して待ちたいと思います。

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