--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

萩原重化学工業殺人事件(講談社NOVELS)

2015年06月28日 23:19



お久しぶりの浦賀作品。 「記憶の果て」から始まった安藤直樹シリーズの新シリーズという位置づけ。
といっても、肝心の安藤直樹は出てこないんですが…。
萩原重化学工業殺人事件」(浦賀和宏著/講談社NOVELS
作品紹介

「脳」を失った死体が語る、密室の不可能犯罪!双子の兄弟、零と一の前に現れた、不死身の少女・祥子と、何もかもを見通す謎の家政婦。彼らが信じていた世界は、事件に巻き込まれる内に音を立てて崩壊していき…。脳のない死体の意味とは!?世界を俯瞰する謎の男女と、すべての事件の鍵を握る“萩原重化学工業”の正体とは!?浦賀和宏の最高傑作ミステリが世界の常識を打ち破る。

☆ 新“安藤直樹”シリーズ第1弾!

というわけで、お久しぶりの浦賀和宏作品。
最近割りとコンスタントに新作が刊行されるようになって嬉しい限り。 やっぱり「彼女は存在しない」の功績は大きかった。

浦賀作品の中でも結構最近刊行された方の本作ですが、これを読んでいると初期の頃の浦賀作品と比べてこじらせた青春度はほんのちょっと薄くなって(それでも結構前面に押し出されてはいますが)、SF×ミステリ度が若干上がって読みやすくなってる…と思います。 それに初期の頃と違って、スティーブン・キング作品のようなマルチ視点の作品になっているのが印象的でした。

“脳のない死体”の謎や、密室からの消失というミステリ的なネタから始まって、真相がSF的なところに着地していくんですが、今までに比べるとかなりスケールの大きな話になってます。 ガイド本で『セカイ系ミステリ』という書き方をされていましたが、それも納得の内容。 天国の門とか祥子の正体とか、若干エヴァ臭がします。
あとトリック(というのか議論の余地がありますが)がちゃんと、超能力があることを生かしたものになっていて、感動を覚えました。
後あの二人組の正体とか。 サプライズの見せ方が手馴れたものになってきていて、なんだかんだいってもうベテラン作家なんだな~と思いました。

☆ 完成度は今まで読んだ中では随一。

これだけスケールが大きな話なのに、ちゃんとオチがついているし、何より今回浦賀先生がカニバリズムに走ってないぞ(笑)。
なんか結構浦賀作品結構読んできましたが、根本のところがデビュー当時から変わってないなー。 これはスゴイと思います。
浦賀フォロワーっぽくデビューした佐藤友哉氏が、純文学の方面に行っちゃったのに比べると、わが道を突き進んでる感があります。
というわけで、これからも浦賀作品の追っかけとしてがんばって行きたいと思います。

総評

それにしても、そのうち講談社NOVELSで出した浦賀作品、全部文庫化するんだろうか。
今のところ『頭蓋骨の中の楽園』まで来てますけど…。

にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ
にほんブログ村
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://matrixblog.blog65.fc2.com/tb.php/1277-b9c7241d
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。