大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド(電撃文庫)

2014年10月21日 23:01


大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)
(2014/04/10)
岬鷺宮

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タイトルとイラストに惹かれて購入。 最近スチームパンクといい、時代劇っぽいものに惹かれているのでしょうか?
大正浪漫×魔法少女という、なかなかオリジナリティ溢れる作品。
大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド」(岬鷺宮著/電撃文庫
作品紹介


「號外」“墜落乙女”活キ人形と交戦す。―昨夜深夜。再び「活キ人形」上野に現はれる。帝都民に襲い掛るも、此れを屠る謎の乙女現はる。目撃者談に拠れば高所から墜落せしめ此れを撃退せり。時は大正、帝都・東京。今般、帝都民に悪夢を齎すのは、螺子巻き仕掛けの異形の化物「活キ人形」と、謎の魔術によってそれを悉く凄惨に屠る、異端の少女・墜落乙女―。彼女を追う少年記者・乱歩が追跡の先に見るのは、誰をも寄せ付けない少女がその裏に隠した真実か、それとも…。血染めの美少女と堕ちる、鏖の暗黒夜話へようこそ。

☆ 血染めの魔法少女が空を舞う! 大正浪漫魔法少女譚。

最近「ミス・ファーブル~」から、アニメ化されてない電撃文庫作品をまた読み始めているんですが、これもその一つ。
大正浪漫×魔法少女という、ありそうで実はなかった組み合わせに惹かれて購入。
で、読んでみたんですが、電撃文庫では久しく感じることの無かった「当たりを引いた」感を、今猛烈に感じております。
とにかくシリーズもの(この終わり方だと続くか不明ですが)の1巻としての出来は、近年まれに見る出来だと思います。

まず大正浪漫の空気の描写。
文章に使われている漢字がわざと旧字体だったり、カタカナ表記のものでも大正頃の表記の仕方だったり(例えば「ビルディング」ではなく「ビルヂング」と書いたり)、文体上での工夫がまず面白いんですが(というか主人公の名前が乱歩だし)、それでいて旧字体が増えることによって読み辛くなっていないことが素晴らしい。
なおかつそこに魔法少女モノということで、なかなか珍しい組み合わせ。 ちゃんとお供のマスコットも出てきます。
もうこれだけで期待してしまうんですが、そこに加えてヒロインである墜落乙女・サヱカ様(サヱカ様と呼ばせてください)のキャラクターが素晴らしい。 「デート・ア・ライブ」の狂三みたいなキャラを想像していただくといいでしょう。
要はどっちかというと“妖艶”という言葉が似合う、蛇が絡み付いてくるような魅力を放っているキャラクター。 この天然でドSっぽいところがMな自分にはたまらんッス。 というか魔法少女といえば可愛いデザインが流行の昨今、モロに“妖艶さ”を前に出してくる魔法少女ってのは、もうそれだけで貴重な存在。

敵である“活キ人形”に対して情け容赦ない残虐な攻撃をするところから「悪人」と恐れられているというところ、そして彼女がそのことを嬉々として受け入れているところ、など魔法少女ものとして見ても、なかなか見ない新機軸。 ただその分彼女の得体の知れなさの理由が、今回はあまりわからなかったのが残念。
それと多分大正浪漫の空気の演出として、金持ちという設定にしてあるとは思うのですが、正直現代を舞台にした作品でも金持ち設定は普通に出てくるので、雰囲気描写としてのパンチはないかな~。 もっとも大正という時代に設定にすることで、金持ちのお嬢様という設定に説得力を持たせているので、この問題は作者のせいではないです。

☆ 彼女の残虐さ、その裏にあるものは?

とはいえ、彼女の使う魔術が「重力操作」と、メジャーどころを外していて、それでいてビジュアル的に映えそうな力に設定されているのはセンスを感じました。
「活キ人形」を操る人形座座長の正体を探るあたりはミステリー的だし、犯人の意外性はなかなか驚き。 しかも結論にたどり着くまでの論理にちゃんと納得のいく説明がつくのが良い。 それにしても、警察と手を組んじゃう魔法少女ってのも、これまた新しい気がします。
桔梗や睡蓮のキャラクターもちょっとテンプレっぽさはありますが、ちゃんとストーリーに絡んだ活躍をしてくれます。
そして何より、サヱカ様の残虐さの理由が、ちゃんとラスト付近で、彼女なりの思いがあっての行動だったことがわかる辺りは胸に来るものがありました。 そして乱歩と二人で飛翔するラスト。 もうね、何も言うことはないです。

総評

結論:シリーズになってくれたら、絶対続き買う!
そしてサヱカ様に踏んでほしい!


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