2014年10月13日 23:53
![]() | 無貌伝 ~探偵の証~ (講談社ノベルス) (2012/10/04) 望月 守宮 商品詳細を見る |
長らく読書メーターの読んでいる本に登録されていた本作ですが、先日発売になった『奪われた顔』と来月刊行の『最後の物語』でシリーズ完結ということで、久しぶりに読みました。
「無貌伝 ~探偵の証~」(望月守宮著/講談社NOVELS)
作品紹介
☆ 裏切りの名探偵!? 望と芹は野望を止められるのか?
前作を読んだのが1年以上前なんじゃないかと思って、過去の記事を調べたら、なんと去年の10月だった…。
きっかり1年ぶりなので、内容忘れてるかとも思いましたが、結構覚えてるもんですね(笑)。
というわけで、前回三探偵の一人・御堂八雲の真の姿と野望が明らかになり、命からがら逃げ出した望とヒトデナシ憑きの少女・芹。 手錠で繋がれた二人は、追手を機転で乗り切り続けるが・・・という話。
まずシリーズ第1作『双児の子ら』で登場した芹が、がっつり再登場してくれたのが嬉しい。 そして望との再会も。
“二人で逃避行”というシチュエーションにもう萌えっぷりがやばいのに、手錠で繋がれているだとぉぉぉ!!
本当は離れたいんだけど離れられないという状況に持っていく展開は、もうそれだけでおなかいっぱいです。
しかもただ闇雲に逃げているわけではなくて、ちゃんと追手を頭脳プレーでかわし続けているというのが素晴らしい。
この作品のシリーズ当初からの魅力ですが、ヒトデナシという設定が設定倒れになっていない上、能力頼みにならず、頭使って行動することを徹底しています。 こういうところ、他の能力者を扱った作品は見習ってほしいところ。
踏果の使い方なんて“そんな使い方が!?”って感じで、意表のつき方が上手いです。
そして最初のうちは久しぶりに会った望に対して冷たい態度を取っていた芹が、逃避行を続けるうちに態度を軟化させていくところもキュンキュンするし、筋運びもさることながら、キャラクター小説としても萌えポイントがたくさんあって、本当に飽きさせません。 純も建太もいい役回りですな。
☆ 御堂八雲との対決シーンは必見!
以前のシリーズに見られた本格ミステリ的な要素は今回ほぼないんですが、そのかわりコンゲーム的な騙しあい、駆け引きで最終ページまで突っ走っているので、非常に痛快。 芹が八雲側に捕まってしまったときの彼女の心の動きがもう泣ける。 この娘いい子や…。
御堂八雲が「こいつ本当に女か?」と思ってしまうぐらい怪物的な思考と行動しており、ただ野望だけが大きな悪役ではなく、ちゃんと知性も兼ね備えたカリスマ性のある敵として描けているのもポイント高いし、犬やら八木沼やらが彼女の部下ながら、それぞれに思惑や信念があって行動しているので、一枚岩でない敵の描き方にも好感が持てるし、とにかく褒めるところしかないですなこの作品。 多分シリーズ中、一番分量が少ないはずなんですが、一番ドキドキさせられました。
そして望と芹の距離が縮まった展開があるからこそ、最後のあの展開の衝撃というか悲しさがより際立ってきます。
ほんとね、こんな終わり方されたら、絶対次も読んじゃうじゃないですか(笑)。
というわけで、来月の『最後の物語』刊行までには、『奪われた顔』を読みたいと思います!!
総評
ああやっぱりいいなこのシリーズ。 『S』ランクってやっぱりこれだよな。
能力者ものとしても、ボーイ・ミーツ・ガールとしても、伝奇モノとしても素晴らしいこのシリーズ。
改めて言いますが、超おススメです!!
無貌伝 ~綺譚会の惨劇~ 感想
無貌伝 ~人形姫(ガラテア)の産声~ 感想
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無貌伝 ~双児の子ら~ 感想

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裏切りの名探偵・御堂八雲により、首都は破壊しつくされた。望は救出した芹の手を取り、師匠の秋津のもとへと駆ける。しかし、待ち受けていたのは、秋津の失踪と、八雲の魔の手…!陰謀蠢き、逆転と背信は繰り返され、矜持と狂気が交叉する逃避行の末、望は、ついに自らの手で最凶の名探偵と対峙することを決める。
☆ 裏切りの名探偵!? 望と芹は野望を止められるのか?
前作を読んだのが1年以上前なんじゃないかと思って、過去の記事を調べたら、なんと去年の10月だった…。
きっかり1年ぶりなので、内容忘れてるかとも思いましたが、結構覚えてるもんですね(笑)。
というわけで、前回三探偵の一人・御堂八雲の真の姿と野望が明らかになり、命からがら逃げ出した望とヒトデナシ憑きの少女・芹。 手錠で繋がれた二人は、追手を機転で乗り切り続けるが・・・という話。
まずシリーズ第1作『双児の子ら』で登場した芹が、がっつり再登場してくれたのが嬉しい。 そして望との再会も。
“二人で逃避行”というシチュエーションにもう萌えっぷりがやばいのに、手錠で繋がれているだとぉぉぉ!!
本当は離れたいんだけど離れられないという状況に持っていく展開は、もうそれだけでおなかいっぱいです。
しかもただ闇雲に逃げているわけではなくて、ちゃんと追手を頭脳プレーでかわし続けているというのが素晴らしい。
この作品のシリーズ当初からの魅力ですが、ヒトデナシという設定が設定倒れになっていない上、能力頼みにならず、頭使って行動することを徹底しています。 こういうところ、他の能力者を扱った作品は見習ってほしいところ。
踏果の使い方なんて“そんな使い方が!?”って感じで、意表のつき方が上手いです。
そして最初のうちは久しぶりに会った望に対して冷たい態度を取っていた芹が、逃避行を続けるうちに態度を軟化させていくところもキュンキュンするし、筋運びもさることながら、キャラクター小説としても萌えポイントがたくさんあって、本当に飽きさせません。 純も建太もいい役回りですな。
☆ 御堂八雲との対決シーンは必見!
以前のシリーズに見られた本格ミステリ的な要素は今回ほぼないんですが、そのかわりコンゲーム的な騙しあい、駆け引きで最終ページまで突っ走っているので、非常に痛快。 芹が八雲側に捕まってしまったときの彼女の心の動きがもう泣ける。 この娘いい子や…。
御堂八雲が「こいつ本当に女か?」と思ってしまうぐらい怪物的な思考と行動しており、ただ野望だけが大きな悪役ではなく、ちゃんと知性も兼ね備えたカリスマ性のある敵として描けているのもポイント高いし、犬やら八木沼やらが彼女の部下ながら、それぞれに思惑や信念があって行動しているので、一枚岩でない敵の描き方にも好感が持てるし、とにかく褒めるところしかないですなこの作品。 多分シリーズ中、一番分量が少ないはずなんですが、一番ドキドキさせられました。
そして望と芹の距離が縮まった展開があるからこそ、最後のあの展開の衝撃というか悲しさがより際立ってきます。
ほんとね、こんな終わり方されたら、絶対次も読んじゃうじゃないですか(笑)。
というわけで、来月の『最後の物語』刊行までには、『奪われた顔』を読みたいと思います!!
総評
ああやっぱりいいなこのシリーズ。 『S』ランクってやっぱりこれだよな。
能力者ものとしても、ボーイ・ミーツ・ガールとしても、伝奇モノとしても素晴らしいこのシリーズ。
改めて言いますが、超おススメです!!
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