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リップステイン(双葉社単行本)

2014年08月12日 23:19


リップステインリップステイン
(2014/06/18)
長沢 樹

商品詳細を見る

「消失グラデーション」「夏服パースペクティヴ」の長沢樹氏によるミステリー最新作。(「消失」シリーズ最新作「冬空トランス」は後日また)
長沢氏の新たな可能性を指し示す、青春ミステリーの快作です!
リップステイン」(長沢樹著/双葉社単行本
作品紹介

ここ渋谷で“悪意"と戦っている――行人が出会った制服の少女はそう言った。少女は、世間を震撼させる連続事件の現場に現れることから、ある刑事に追われていた。
“悪意"とは何なのか。少女はなぜ犯行時刻に現場の防犯カメラに写るのか。少女を通じて事件を追う学生の行人と、事件を通じて少女を追う刑事。
二つの追跡行はやがて交錯し、衝撃の結末へと至る。横溝正史ミステリ大賞受賞『消失グラデーション』の著者が放つ、ミステリー・サスペンスの傑作!

☆ “悪意”と戦う少女との邂逅。 長沢ミステリーの新境地!

「消失グラデーション」から始まる“消失”シリーズにて、傑作青春ミステリーの書き手としてデビューした長沢樹氏。
正直上記のシリーズだけで、もう完成されていたようなところがあったんですが、この最新作読んでまたまたびっくり。
長沢先生は伝奇・ファンタジー+ミステリーもできるのか!
“消失”シリーズで魅せてくれたラノベ的・アニメ的キャラ描写はそのままに(というかパワーアップしてる?)、目に見えない“悪意”をキスすることで浄化する孤独な少女・香砂と登場させることで、今までなかった伝奇ミステリとしての要素をプラス。 そこにちゃんとミステリー的な驚きもあって(ミスリードが素晴らしい)、うれしい誤算ばかりがあった作品でした。

長沢作品って女性キャラがものすごく生き生きしていて、そこが贔屓にしているポイントでもあるんですけど、
今回もその点に関しては期待通り、むしろ今までより良くなっている節すらあります。
先に挙げた香砂もいいんですが、無口なミステリアス系美少女・如月、スタイル抜群・生意気ギャル・美晴と、とにかく良質のギャルゲーでもやってるかのような(笑)印象的なキャラばかり出てきて、この主人公(夏目)パートだけでも既におなかいっぱい。 特に美晴の扱いが素晴らしくて、最初は典型的なリア充女子グループの中心的存在という、いかにもかませ役なポジションなんですが、あることをきっかけに彼女がグループをはじき出され、主人公・夏目と二人で行動を共にすることに。 そして二人でいる内に、見た目はギャルで口も悪いけど、実は面倒見のすごいイイ奴だとわかる、というギャルゲーのシナリオだったらほぼ100点満点な展開に悶えてしまいましたよ、私は(笑)。 なんか久しぶりに小説のキャラで、ギャップ萌えしてしまった…。
しいて不満があるとするなら、美晴のパートが良すぎて、香砂と如月の印象が弱いことかな(笑)。
如月は元からそういう設定だからしょうがないとして、香砂の言ってる事が本当だとわかるのが結構後のほうなので、そこまで本人は意図していないのに、周りにはハルヒ的美少女に見えてしまうのが可愛そうなところ。 でも、ハルヒと比べると根は基本的に真面目でイイ子なので、そんなに拒否反応を示す人はいないはず。
如月も最初無口なとっつきづらいキャラだったのが、途中でちょっと追い込まれてしまって、成り行きで夏目と香砂が助けることになるという、ぶっちゃけ美晴と同じパターンなんですが、いいいんだな~これが(笑)。ホント、このパターンに弱いな自分。
でも最終的に3人と行動するようになって、「あ、これマジでギャルゲーだ」って思いました(笑)。

☆ 警察パートも本格的!

主人公(夏目)パートだけでもこれだけ書くことがあるというのに、それと平行して描かれる警察パートもまた描写が素晴らしいから困る(笑)。
最近警察小説を読むことがちょくちょく増えてきて、描写が下手な作品はすぐわかるようになってはきたんですが、この作品に関してはかなりディテールを調べたんだな~ということがわかります。 さらに上司と現場の人間の描写もいい意味でテレビ的なテンプレを外してきていて、なかなか読み応えアリ。

それにしても「夏服~」のときにも感じたことなんですが、長沢先生って“映画”ってものに何か特別なこだわりでもあるんだろうか? 今回も主人公の夏目たちは、映像学科の夏製作ということで映像作品を作るという設定だし。
まあ、私も結構映画好きなんで、こういう描写は嫌いじゃないです。「ソダーバーグは編集テクだけでイケる」←これ笑った。
いっそのこと映画製作をテーマにした普通小説とか読んでみたいな。(真藤順丈氏の「七日じゃ映画は撮れません」みたいな)

なんだか続きを書こうと思えば出来そうな終り方だし、続きを読んでみたいと思うのは私だけじゃないはず!

総評

長沢先生の新たな魅力を見た最新作。 しかもここで朗報が。
なんと今月末東京創元社から、長沢氏の新作「武蔵野アンダーワールド・セブン ~多重迷宮~」が刊行されます。
内容はなんと歴史改変SF+ミステリーというこれまた挑戦的なもの。 こちらも期待大です!!

夏服パースペクティヴ 感想
消失グラデーション 感想



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