灰色のダイエットコカコーラ(星海社文庫)

2014年04月27日 13:22


灰色のダイエットコカコーラ (星海社文庫)灰色のダイエットコカコーラ (星海社文庫)
(2013/11/08)
佐藤 友哉、押見 修造 他

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お久しぶりの佐藤友哉作品。2007年に講談社BOXで刊行されたものの文庫化です。
ちょっと時代を先取った、清く正しい?厨二病小説です!
作品紹介

佐藤友哉×押見修造
“青春の暴走”を描き続けるふたりがここに出逢った――!
かつて六十三人もの人間を殺害し、暴力と恐怖の体現者たる“覇王”として君臨した今は亡き偉大な祖父(そふ)。その直系たる「僕」がこの町を、この世界を支配する――そんな虹色の未来の夢もつかの間、「肉のカタマリ」として未だ何者でもない灰色の現実を迎えてしまったことに「僕」は気づいてしまう……。「僕」の全力の反撃が始まる――!!

☆ メフィスト賞作家・佐藤友哉が描く、青春の暴走小説

なんだかすごくお久しぶりな佐藤友哉作品。 このブログでは「水没ピアノ」以来の紹介ですね。
この方の作品って三島由紀夫賞を受賞した「1000の小説とバックベアード」を読んで以来、ちょっと遠ざかっていたので、なんだか新鮮な気持ちで読むことが出来ました。

で、感想ですが、これはもうなんていうか、素晴らしい中二病小説
今でこそ中二病の生態を描いた作品は大量生産されていますが、中二病の滑稽さ、みっともなさ、切実さ、そして愚かさを描いてここまで胸に迫ってくる小説ははじめて読んだ気がします。 この手の鬱屈した中二病的人物を描かせると、浦賀和宏氏と佐藤友哉氏は流石すぎる。


「自分は他人とは違う!」という哀れなぐらい高い自意識を持ち、他人を“肉のカタマリ”と言って見下し、63人もの人間を殺害した祖父に憧れて“覇王”という漠然とした目標を持ち、かといって何か努力するわけでもなく(というかどうなったら“覇王”なのかという定義も曖昧なまま)、そのことを他人から突っ込まれると「僕は“覇王”になるんだっ!」と根拠の無い自信でもって逆ギレ。
ここまで書いただけでも、この作品の主人公が救いようの無いクズであることがわかるんですが、これだけじゃないのがこの作品のすごいところ。 全く若いからって何でもかんでも許されるわけないじゃないですか…。

☆ どんなにクズでも、どこかに感じる“共感”

でもこの作品の場合はかなりカリカチュアライズされていますが、この主人公に近い心情は誰しも持った事があるのではないでしょうか? わたしも高い目標を設定しつつも何にも努力していないでモヤモヤする、という部分には大いに思うところがありますし。 どんなに一見共感しづらいキャラ設定にしてあっても、私達の共感できる部分から地続きなのが佐藤作品のいいところ。

総評

ここ最近の星海社文庫では久々のヒット。
といっても文庫化なので、新作というわけじゃないのが痛いところ。
しかし佐藤作品はやっぱりいいな~。

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