無貌伝 ~綺譚会の惨劇~(講談社NOVELS)

2013年10月21日 22:36


無貌伝 ~綺譚会の惨劇~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~綺譚会の惨劇~ (講談社ノベルス)
(2011/08/04)
望月 守宮

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メフィスト賞受賞作伝奇ミステリーシリーズ第4弾!
今回はシリーズ初の連作短編集。 気になっていたあの人、この人の過去が明らかに。
無貌伝 ~綺譚会の惨劇~」(望月守宮著/講談社NOVELS)
作品紹介

探偵見習いの望は、名探偵・御堂八雲に呼び出され、怪事件について語り合う談話会―綺譚会に参加することに。そこで紡がれる物語は、夢幻の顔を持つ怪盗・無貌と彼の協力者たちに纏わる、恐怖と悲哀の歴史だった。豪華列車の中に煌めく、八雲の真意と探偵たちの矜恃。明かされる綺譚の謎と、連鎖する望の宿命…。動き出す運命の歯車に導かれた終着駅は!?至高の新伝奇ミステリ。

☆ 怪事件を語り合う綺譚会。 その先に待つのは。

お気に入りの“無貌伝”シリーズも第4弾。 今回はシリーズ初の連作短編集。
三探偵の一人・御堂八雲に呼び出された望は、ヒトデナシが関わる怪事件を語り合う綺譚会に参加することに。
出席者が語る話は、ヒトデナシの怪盗・無貌と彼に関わった人々の、奇妙で哀しい事件だった…。

無情のひと

秋津の助手・相原倫太郎は、縄田愛美という少女から、義兄が死んだ事件を調査して欲しいという依頼を受ける。
彼女曰く、義兄は妻である愛美の姉・依子に殺されたというのだが…。
ミステリ用語で言うところの“雪密室”トリックの短編。 トリックよりも、依子の心理のほうが不可解な話。
あとからじわじわ気味悪さがやってきます。

実験動物の幸福

無貌の居場所が判明したという報せを受けて、秋津と遥が向かったのは青峰ビルという取り壊し予定のビルだった。
罠の匂いを感じつつ、ビルに突入した秋津だったが、何者かに気絶させられ、遥が人質にとられてしまう。
やがて無貌の仲間であるドクターの“実験”なるものに付き合うことに…。
ヒトデナシの能力の使い方が秀逸な短編。 こういうソリッド・シチュエーションスリラーっぽいのもいけるとは、望月先生の懐の深さを感じます。

犬神

長山県の犬上村では、奇妙な風習が伝わっていた。
村に生息する野犬の中に“犬神様”がおり、村の創始者の一家である犬養家で生まれた末の男児は突然失踪し、代わりに山の神が犬神様を犬養家によこすのだという…。
ミステリではお馴染みの、閉鎖的な村での殺人事件。 先述した相原、秋津の両名が出てきますが、なんというか探偵としては未熟な感じがしますね。 過去の話なんでしょうがないですけど。
この辺で勘のいい人は、収録短編がどんなつながりなのか分かってくるはず。

獣たちの宴に

川向こうの坂の上にある『とんがり屋根の家』には、おかしくなった殺人鬼が閉じ込められているなど、様々な怖いうわさが流れていた。
妹の弥生が帰ってこないことを心配したぼくは、噂の『とんがり屋根の家』に侵入するのだが、そこで彼が見たのは…。
この辺りからだんだんとグロい描写が出てきます。 ここまでの話がミステリーだったのに対して、今回は純粋にホラーな話。 “蜘蛛”の下衆さが最後の最後で効いてくるな…。

末期の酒

父の奇妙な遺言に従い、丸家という名の男に父の残した酒を届けることになった大塚。
彼の奇妙な旅路の先で見たものは。
これもミステリー色は薄いですが、最後にサプライズが。

窃視症
日常に退屈していた日高は、秋津の元に入り浸り、ヒトデナシの話を聞くのが楽しみとなっていた。
彼には女性の後姿に惹かれる特殊なフェティシズムを持っていたが、ある日老婆から貰った人形のパーツをはずすことで、自分の体の部分を取り外せる力を身につける。 そして彼はこの力を利用して“覗き見”生活を始めるのだが…。
本作中、一番おぞましい話にして、トリック的にも一番読み応えのある話。
秋津の言動や行動に違和感を感じると思ったら、そういうことでしたか。 上手いこと騙りも決まっていて素晴らしい。

満月も今日で終わり

病気で寝たきりのサーカスの団長・満月に代わり、団長に就任した弥太郎。
彼は過去の因縁から、満月が率いていたこのサーカスを潰す気でいた。 弥太郎の強引なやり方についていけない団員たちは反発するが、その中には望の姿が。 順調にサーカスが縮小する中、満月が息を引き取ったという報せが…。
望の過去話でもある短編。団長の死の真相とともに、弥太郎の心変わりしていく様が感動的な一編です。

☆ 綺譚会の真の目的と、造反する者たち。

この7つの短編を全て読むと、魔縁たちの出自が明らかになるという仕組み。
そしてその中には驚きの人物が。 まさかあんたが…。 なんだか非常に気になる引きをして次回に続きます。
あと『双児の子ら』以来となる芹ちゃん再登場。 彼女の存在も次巻では重要になってくるみたいですね。
今回みたいな一見つながりのなさそうな短編が、全部読むと大きなものが見えてくるパターンって大変に好みですね。 短編集ならではの構成が非常に上手い。
それにしてもこのシリーズ、もっと有名になってもいいと思うんですよ。本当に。

総評

しかし今のところの4巻全てハズレ無しって、ちょっと驚きです。 あくまで私個人の感想ですが、このシリーズ何か他のメディア展開をして欲しいな。

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