探偵小説のためのエチュード 「水剋火」(講談社NOVELS)

2013年03月04日 22:54


探偵小説のためのエチュード 「水剋火」 (講談社ノベルス)探偵小説のためのエチュード 「水剋火」 (講談社ノベルス)
(2008/04/08)
古野 まほろ

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メフィスト賞を受賞した「天帝」シリーズの著者・古野まほろ氏によるもう一つのシリーズ。
謎の爆発&転落事件に、妄想少女と陰陽美少女が挑む!
探偵小説のためのエチュード 『水剋火』」(古野まほろ著/講談社NOVELS
作品紹介

私は人殺しだから―。過去の過ちのため帝都から逃げるように転校した水里あかね。彼女を待っていたのは、南国・実予の陽光と、謎めいた美少女・小諸るいかだった。周囲の温かい歓迎に心癒されたかに見えたあかねの目の前で、不可解な爆発&転落事故が。超絶推理で犯人を解明し、陰陽の力で事件に潜む怨霊の姿を暴き出す小諸。論理と因果と美を兼ね備えた最強の陰陽師探偵登場。

☆ 最強の陰陽師探偵・コモ登場!

以前紹介したメフィスト賞受賞作「天帝のはしたなき果実」の著者・古野まほろ氏による新シリーズ。
ちなみにこの「探偵小説」シリーズ、全5巻で完結しています。

独特のルビと擬音を駆使したクセのある文体のおかげで、読むのに死ぬほど苦労した「天帝」シリーズですが、その著者による新シリーズは「天帝」シリーズに比べたらはるかに読みやすいです。 ページ数もそれほど厚くなく、人に薦めやすい長さ。 とはいえ、少ないながらもルビと擬音は健在ですが(笑)。
簡単にストーリーを要約すると、過去に過ちを犯し、逃げるように転校してきた少女・水里あかねが、転校した先の美予で陰陽師を名乗る美少女・小諸るいかに出会ったことで、学校で発生した謎の爆発&転落事件に挑むことになるという話。
世界観としては「天帝」シリーズと同じく、戦時下の日本のまま現代になってしまったパラレルワールド(この設定は正直内容には関係ない気がする…)。
東京のことを『帝都』と言ったり、『サクラ大戦』の世界観を現代に持ってきたとイメージしてただければいいと思います。

さて、「天帝」シリーズに比べるとキャラの立ち方といい、メチャメチャライトノベルしている本作。
まずあかねのキャラ設定が面白い。 貧乳を指摘されると口調が変わってしまうのが可笑しい。 それとちょっとネタバレになってしまうけど、途中から『ちは○ふる』になるとは思ってなかった。 確かにこの世界観だとしっくりくるかもしれない。
そしてもう一人の主人公、陰陽師探偵・コモは、あかねと同じく転校生。 陰陽師の専門用語(傍から見るとただの中二病)を駆使する彼女の言動に最初は戸惑いを覚えますが、だんだんあかねとのやり取りが漫才染みてきます(笑)。

☆ 本格ミステリ的フェアプレイに徹するまほろ作品。

「天帝」シリーズもそうだけど、解決編前に絶対「読者への挑戦状」があるんですよね、まほろ作品って。
最近はこういうのを挟むミステリー作品って少なくなりましたよね。 そういう意味ではちょっと貴重です。
式神とか陰陽師とか出てくる割に、事件のトリックがガチガチの物理トリックだったり(とはいえ、なかなか驚愕のトリックです)、事件の黒幕が怨霊だったり、よく考えたら突っ込みどころ満載なストーリーなんですが、世界観、キャラのおかげで、なぜか許せてしまうところがあります。

さっきコモとあかねのやり取りが漫才みたいだと書きましたが、後半になってくるとだんだん百合百合しい関係に。
百合好きには結構くるんじゃないでしょうか?

総評

このシリーズは「天帝」シリーズよりも読みやすいんですが、今は古本屋に行かないと見つからないかも。
かく言うわたしも全部そろえることが出来るのでしょうか…。

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