わたしは虚夢を月に聴く(星海社文庫)

2013年02月24日 22:28


わたしは虚夢を月に聴く (星海社文庫)わたしは虚夢を月に聴く (星海社文庫)
(2012/11/09)
上遠野 浩平、serori 他

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前回に引き続き、上遠野浩平氏の青春SF「ナイトウォッチ」シリーズです。
今回は前作と違って、連作短編みたいな感じです。
わたしは虚夢を月に聴く」(上遠野浩平著/星海社文庫
作品紹介

探偵の荘矢夏美が受けた、依頼人自身が“その人の名前も姿もほとんど思い出せない――”という奇妙な“人探し”。正体不明の「誰か」を探すうち、夏美は今いる世界の真実に目醒めていく……。
月を跳ねるウサギ型のロボット。人智を超えた“敵”。冷凍保存された英雄。「鉄仮面」と呼ばれる超兵器――。嘘のような現実が月にあり、現実のような嘘が地球にある。これは、虚ろな夢の物語。
上遠野浩平が描く青春SFの金字塔、“ナイトウォッチ”シリーズ第二弾。

☆ いないはずの“少女”を探す少女…。 「ナイトウォッチ」シリーズ第2弾!

前回初トライして個人的にかなり気に入った「ナイトウォッチ」シリーズ第2弾。
1巻で「マトリックス」っぽいと言いましたが、巨大ロボット(ナイトウォッチ)の戦闘が後ろに引っ込んでいる分、むしろ今回の方がより「マトリックス度」が上がっている気がします。
そして1巻が兵吾を主人公にしたストレートなストーリーだったのに対し、今回は多数の視点による「ナイトウォッチ」シリーズのバックボーン&サブストーリー集みたいな印象が強いです。 今回は兵吾の影も形もないという徹底ぶり(というか彼この後出てくるんでしょうか?)
最初は探偵である夏美が“名前も姿もほとんど思い出せない”人物を探してほしいと言う弥生の依頼を受けてその少女を探す話。 探偵、幽霊、作品の雰囲気といい、「マトリックス」というより押井守作品みたいな空気ですね。押井作品と違って、哲学的な話を長々しないで、素直に青春の色を出しているところが好感触。 夏美が乗っ取られるところなんかホントサイバーパンクって感じ。 こういうの好きだな~。
その他、虚空牙と人間を繋ごうとした男・コーサ・ムーグの話。 月を跳ねるウサギ型ロボット・シーマスの話などそれぞれの話が異なるジャンルのSFストーリーになっていて、これ一冊読んだだけですごく得をした気分になります。

このシリーズが最初に刊行されてから10年経っているわけだけど、ここまで本格的にSFしているライトノベルっていま現在でもそんなに数が無いような気がしますね。 なんかこの10年でライトノベルというジャンルが大して進歩していないような気がしてちょっと悲しい。

☆ 独自の詩情を湛えたタイトル&引用に震える。

それにしても1巻のときにも思ったんですが、このシリーズ毎回タイトルの付け方にセンスがありますよね。
こういうちょっと文学的なセンスのタイトルって憧れますね。 最近のセンスの無い長文タイトルのライトノベルは見習ってほしいものです。

このシリーズって1巻のロボットアニメ風の感じにも、今回の「マトリックス」的世界観にも転べる幅の広さがあって、つくづく上手い設定だな~って思いますね。 今のライトノベルだったら、『SAO』でもこのぐらいの幅の広さは出来そうな気がするんですが…。

総評

なんかこの作品にはいろいろ触発されるな~。 それだけ学ぶものが多い作品です。
3巻も近いうちに読みたいと思います!

ぼくらは虚空に夜を視る 感想



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